お父さんに会えましたか?

私が関わりのある精神障害者の共同作業所があります。
父がはじめ、母が守り、そして私も引き続いてお世話をさせていただいております。

ところで、凶悪事件が起きると精神鑑定が裁判の焦点となるためか、精神障害者というと犯罪者と同列に扱われる風潮が根強くあります。

しかし、精神障害者の方々と接してみると本当に優しくてマジメです。
問題の原因を人のせいにできず、それを自分の内に求めてしまい、ついには自分の心を傷つけて病になってしまう。
そんな方が多いのです。
だから、こんな優しい方々が犯罪者のように見られるのは本当に悔しいです。

もうすぐ母の日ですね。

ある年、作業所で母の日にお母さんに絵手紙を書かれました。
そのころ所長をしていた母が、私にこんな絵手紙があったんだよと話してくれました。

「お母さん 天国でお父さんに会えましたか?」

田舎で林業をしていたが食べられず、家族3人で上京されます。
しかしお父さんが病死。
慣れない都会暮らしに疲れたお母さんもまた、その後を追って飛び降り自殺される…
そんなお母さんにあてた絵手紙でした。

「一生懸命描かれたたどたどしい絵手紙の文字は優しく、それを眺めているとその方の母を思う気持ちに胸が苦しくなった。」
そう話す母の目に涙があふれていました。

自由競争は社会に活力をもたらす、それはひとつの真実です。
しかし競争から離脱せざるを得ない人へ、優しい手を差し伸べる愛情も持ち合わせる社会であって欲しい、私はそう思います。

今年の母の日も人呼吸をつけ寝たきりの母に、私はカーネーションを抱えてありがとうの気持ちを伝えに行ってきます。

カテゴリー: 5 エトセトラ | コメントする

蹴上浄水場「蹴上のつつじ」一般公開

今日は蹴上浄水場「蹴上のつつじ」一般公開の最終日です。

一度行ってみたいと思っていましたが、未だその機会がありませんでした。
今日を逃すとまた一年先になります。

4月末にひいた風邪をこじらせ、体調を崩しておりますが思い切って行ってまいりました。

蹴上浄水場は琵琶湖疎水の終端に当たります。
琵琶湖の水は水力発電で京都市民に電力を供給するとともに、その水はここで浄水され市民の飲用水となっております。

その蹴上浄水場を囲む丘にたくさんのつつじが植えられ、ちょうど満開のこの時期に市民に一般開放されます。

赤・ピンク・白に黄色…

美しいつつじたちの競演に思わず見とれてしまいます。

つつじのトンネルをくぐり浄水場内を散策すると新しい発見がありました。

与謝野晶子の句碑です。

その昔、蹴上の浄水場あたりに「辻野」という旅館があったそうです。
与謝野晶子と鉄幹が逗留し、そこで詠んだ句が辻野の跡地あたりに句碑として残っておりました。

御目ざめの鐘は知恩院聖護院
 いでて見たまへ紫の水

東山三十六峰とよばれる美しい山々は朝日に照らされ紫に霞む。
そこから流れる清らかな水…

山紫水明という言葉で表される京都ですが、与謝野晶子の「紫の水」とはそんな清流を詠んだのでしょうか。

久々に写真を撮影し、体調不良を忘れる大変楽しいひとときとなりました。

さて連休も終わります。
明日からまた頑張りましょう。

カテゴリー: 1 京都のこと | コメントする

投げられた

投げられた
ところで起きる
小法師かな

多分こんな意味だろうと思います。

起き上がり小法師は投げられたその場で懸命に起き上がろうと努力する。
起き上がる場所なんか選んではいない。
お前も与えられたその場で懸命に努力しろ。

先日、もうすぐ90歳になるお客様から教えていただいた句です。
かれこれ20年、お引き立ていただいております。
不動産屋なんて数多あるのにいつも義理堅くお声がけいただきます。

その商談の席で、余談中にもらしたたった一言の私の弱音。
それを聞いたお客様の柔和な笑顔とは不釣り合いな鋭い眼光に、私は畏れを感じました。

そしていただいたのがこの小法師の句です。
人の生き方を軌道修正するのもまた人である。

いま
ここ

我欲を捨て  今、此処を生き切ろう。

人生っておもしろい!
素敵な出会いに感謝する私でした。

カテゴリー: 5 エトセトラ | コメントする

売家の看板に思うこと

大阪で物件をご案内する道中、あるお家の前に設置してある売家の看板に目が止まりました。

最近の看板といえばプラスチック製のカラフルなものが多く、字体もいかにもプリントアウトしたと言わんばかりの文字ばかりです。

ところが、その看板は昔よくあったように白く塗り込めたブリキ板に、達筆の書家が書いたかのような文字で「売家 ○○不動産 電話○○番」と書かれています。
地味なのにそれがやけに目についてしまいました。

広告会社に勤める友人曰く、

画一化された広告は綺麗だが目立たない。
そこに自筆の文字を加えると、読み手の心に乱れが生じる。
その心の乱れをまねく工夫が、情報を目立たせる一つのテクニックなんだよ。

なんて話をしてくれました。
件の看板はそれを地でいくようなものでした。

 売家といえば、こんな江戸川柳があります。

「売家と唐様で書く三代目」

初代・二位代目と苦労して築き上げた財産を、三代目が現を抜かし、とうとう立派な自宅も売る羽目となった。しかし、教養だけはつけてもらっているので、「売家」とかいた看板が、江戸時代に文人や儒学者などの間で流行した唐風の字体で書いてある。と言う意味だそうです。

仕事をしているとそんな三代目さんに出会うこともあります。

翻って、自分もまた三代目。
祖父が事業を始め、父が発展させ、私が継承しています。
うつつを抜かすことの無いよう、気を引き締めて頑張らねばとこの句を肝に銘じています。

カテゴリー: 3 宅建業 | コメントする

私は誰でしょう?

「本人確認」 

最近よく聞く言葉です。 

資金洗浄防止やテロ資金対策、あるいは詐欺事件防止のために金融機関のみならず宅建業者も目の前の人間が本人かどうか確認しなければなりません。 
先日、ある賃貸借契約の更新のお仕事がありました。 

木造のアパートにもう30年近く入居されている独居老人です。 

温厚で遠慮がちでとてもいい人なのです。 

みんな仏様のような人だなぁ・・などと言います。 
その方が事務所に来られて手続きをしていると、 

突然 

「大変申し訳ないことをしたのですが、私は今まで○島○男と名乗ってきましたが、実は △田△作という名前なのです。長年騙してきてごめんなさい。」 ですと…
えっ? 

ェ~~~~~えぇぇ! 
30年前と言えば、今ほど本人確認は厳しくありませんでした。

それでも契約の際は印鑑証明と実印・住民票を提出してもらって確認しています。 
じゃあ、あれは何だったの? 

誰のもの? 

九州からこちらに来られたのですが、事情があって住民票を移せずに知人の住民票などを借りて京都に住み、そのまま30年がたったそうです。 

でも故郷の九州にはもう自分を探す人がみんな亡くなったことを知り、元の名前に戻ろうと思ったそうです。 
家主さんに相談したところ.、そのおじさんのお人柄もあって名義の訂正を快諾いただきました。 
それにしても、九州でどんなドラマがあったんでしょうね。 

詳しくは聞けませんでした。 
もしかしたら大変な過ちをおかされたのかもしれません。
だからこそ、それを悔いて悟りきった仏様のような人になられたのではないか・・・
そんなことを思いつつ、契約書の名義に二重線を引いて正しいお名前に訂正しました。
やっと本当の自分に戻れたおじさんは、はにかんだような、でも少し嬉しそうなお顔で私にひとつお辞儀されて帰っていかれました。

カテゴリー: 1 京都のこと | コメントする

土足

先日、京都の繊維関係の旧宅を改造した飲食店で懇親会がありました。

京都の旧家らしく1階はお店・2階は居宅で、ライトアップされた中庭が素敵です。
その向こうに立派な離れや蔵も見えています。

入店すると「土足でどうぞ」と書かれた看板。
それに誘われて2階へ上がると、元は座敷らしき部屋へ案内されました。
立派な床の間のある部屋にシックな絨毯がひかれ、テーブルと椅子で食事します。
照明を落とし、ムードのある音楽、外へ目を移すと手入れされた庭、料理はおいしい。

でも…
でも何か落ち着かない。

もっと言えば嫌な気分なんです。

原因は何かとよく考えてみて気がつきました。
それは、かつて居住まいをだだした家人が座したであろう その座敷を、いま私は土足で踏みつけている、その非礼を恥じる心がその原因だとわかりました。

京都の町家を守ろうというのは良いことだと思います。
しかし、結局は京都以外からやってきた黒船資本によって何とか外観だけが繕われた、まるでムービーのセットのよう形でしか守られていない。
そんな建物が多いのも現実です。

文化庁が京都市へ移転し大勢の職員さんが京都へ来られます。
できれば立派なマンションのような宿舎ではなく、京都の町家にお住みいただき、京都の町の生活者の視点から京都を感じ、そして支えて頂きたいなぁと思ったりする今日この頃です。

カテゴリー: 1 京都のこと | コメントする

​同じです。あなたと私の大切さ。

先日、タクシーに乗っていると真新しい高級車が猛スピードで追い抜いて行きました。

運転手さんが小声で「せまい日本、そんなに急いでどこへ行く」とつぶやかれたのを聞いて、「あぁ、そんな標語があったあった。」と思わず微笑んでしまいました。
詩歌の文化を持つ日本人は、短い言葉で思いを伝えることに長けているのかもしれません。

例えば「注意一秒 けが一生」。

うまいなぁと思いませんか。

本当だな、注意しないといけないなと、たった8文字で注意を喚起するんですもの。

 
標語は戦時中にもあったそうです。

有名なものは

「欲しがりません勝つまでは」

国民が飢えながらも戦争を戦ったことがうかがえます。

 

京都府では昔、革新系の蜷川虎三さんが知事を務められたことがあります。

その時代に京都府庁にはこんな標語が掲げられていました。

「憲法を暮らしの中に生かそう」

改正論議がさかんな憲法ですが、国民主権・基本的人権の尊重をうたう今の憲法がまだ「新憲法」と呼ばれた時代には、戦争への猛省と新しい時代を築く指針とされた。

だから「憲法」という文字が入った標語が生まれたんですね。

ちなみに京都の建築会社さんが、「○○を暮らしの中に生かそう」と原作をパロった標語を使って会社を宣伝されていました。

パロディ化される標語はそれだけ市民に浸透した証拠でもあります。

 

ところで昨日、京都府宅建協会と全日京都本部、京都府が主催で「人権研修」が開催されました。弁護士の坂元和夫先生を講師にお迎えし、宅建業における人権の尊重についてお話しいただきました。

憲法の基本的人権の規定の解説から始まり、業務上においても人を差別しない大切さをわかりやすくご説明いただきました。

私は研修を聞きながら一つの標語を思い出しました。それは…

「同じです。あなたと私の大切さ。」

人権という難しい言葉の意味を、この簡潔な標語が理解させてくれます。
私も今まで以上に人権に配慮しながら日々の仕事を頑張りたいと決意を新たにしたところです。

カテゴリー: 1 京都のこと | コメントする

毘沙門堂 紅葉のレッドカーペット

今日の毘沙門堂の紅葉です。

山科に56年も住んでいるわけですが、ここ毘沙門堂の紅葉の美しさは実はお客様に教えていただきました。

横浜からお越しになったお客様が契約後、毘沙門堂に行きたいとおっしゃり、ご一緒して見た紅葉に息を飲みました。

その後 毘沙門堂はJRの「そうだ京都行こう」にも取りあげられ、最近は多くの観光客もお越しになられます。

もうしばらくすると門前の石段に紅葉の落ち葉がつもり、さながらレッドカーペットを敷き詰めたようになります。

是非皆さまも毘沙門堂へお越しください。
毘沙門堂

京都市山科区安朱稲荷山町18

JR山科駅を北へ徒歩約20分

カテゴリー: 1 京都のこと | コメントする

(公社)京都府宅地建物取引業協会 創立50周年

昨日、11月11日はポッキー&プリッツの日とされ、ポッキーが誕生して今年で50周年となるそうです。

弊社が所属する公益社団法人 京都府宅地建物取引業協会もまた今年で創立50周年、公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会京都本部 創立45周年を迎え、それを祝う式典・祝賀会が昨日、ウェスティン都ホテルにおいて開催されました。

式典では協会50年の歩みを映像で振り返ったあと、協会の発展に功績のあった会員の表彰行事があり、多くの仲間たちが受賞されました。
私も僭越ながら京都市長表彰を頂戴することができました。
これを機に、今後ともなお一層、地域・消費者・会員各位の笑顔のために頑張りたいと思います。

その後、瑞穂の間に会場を移し開催された祝賀会は、宮川町の舞妓さん・芸子さんたちによる華やかな祝舞「姫三社」で幕を開きました。
その後も京都市立芸術大学 弦楽四重奏、立命館大学 JAZZ CLUBの学生・卒業生のみなさんによる素敵な演奏で花を添えていただき、盛大かつ和やかな祝宴となりました。

この日まで役員として関わらせていただきましたが、会員・事務局が一丸となって準備をしてきたこの周年事業を成功裏に開催することができ、改めて仲間が力を合わせる素晴らしさを実感させていただきました。

%e4%ba%ac%e5%ae%85%e5%8d%9450%e5%91%a8%e5%b9%b4%e8%a8%98%e5%bf%b5%e8%aa%8c%e4%bb%96_%e3%83%9a%e3%83%bc%e3%82%b8_01

カテゴリー: 1 京都のこと | コメントする

ハンディライト

​消防団に所属していると、ハンディライト(懐中電灯と言うとなんかヤボったいので横文字に)は必須です。
不思議と夜の出動が多いのです。
特にうちの分団は管内に山もあり、重い荷物は苦痛です。
従ってライトも軽くて明るいのがあれば非常に助かります。
そんな中で見つけたのがこのライト。
小さくて軽いのに眩しくて正視できないほどの明るさの120LMもあります。
また、製造元に商品のことで問い合わせたことがありますが、とても親切でした。
その会社から広告をするよう頼まれているわけではありませんが、このライトはとてもお勧めです!
富士倉 ハンディライトミニ GP-201W

wp-1477643921273.jpeg

カテゴリー: 5 エトセトラ | コメントする