先日、タクシーに乗っていると真新しい高級車が猛スピードで追い抜いて行きました。
運転手さんが小声で「せまい日本、そんなに急いでどこへ行く」とつぶやかれたのを聞いて、「あぁ、そんな標語があったあった。」と思わず微笑んでしまいました。
詩歌の文化を持つ日本人は、短い言葉で思いを伝えることに長けているのかもしれません。
例えば「注意一秒 けが一生」。
うまいなぁと思いませんか。
本当だな、注意しないといけないなと、たった8文字で注意を喚起するんですもの。
標語は戦時中にもあったそうです。
有名なものは
「欲しがりません勝つまでは」
国民が飢えながらも戦争を戦ったことがうかがえます。
京都府では昔、革新系の蜷川虎三さんが知事を務められたことがあります。
その時代に京都府庁にはこんな標語が掲げられていました。
「憲法を暮らしの中に生かそう」
改正論議がさかんな憲法ですが、国民主権・基本的人権の尊重をうたう今の憲法がまだ「新憲法」と呼ばれた時代には、戦争への猛省と新しい時代を築く指針とされた。
だから「憲法」という文字が入った標語が生まれたんですね。
ちなみに京都の建築会社さんが、「○○を暮らしの中に生かそう」と原作をパロった標語を使って会社を宣伝されていました。
パロディ化される標語はそれだけ市民に浸透した証拠でもあります。
ところで昨日、京都府宅建協会と全日京都本部、京都府が主催で「人権研修」が開催されました。弁護士の坂元和夫先生を講師にお迎えし、宅建業における人権の尊重についてお話しいただきました。
憲法の基本的人権の規定の解説から始まり、業務上においても人を差別しない大切さをわかりやすくご説明いただきました。
私は研修を聞きながら一つの標語を思い出しました。それは…
「同じです。あなたと私の大切さ。」
人権という難しい言葉の意味を、この簡潔な標語が理解させてくれます。
私も今まで以上に人権に配慮しながら日々の仕事を頑張りたいと決意を新たにしたところです。