私が関わりのある精神障害者の共同作業所があります。
父がはじめ、母が守り、そして私も引き続いてお世話をさせていただいております。
ところで、凶悪事件が起きると精神鑑定が裁判の焦点となるためか、精神障害者というと犯罪者と同列に扱われる風潮が根強くあります。
しかし、精神障害者の方々と接してみると本当に優しくてマジメです。
問題の原因を人のせいにできず、それを自分の内に求めてしまい、ついには自分の心を傷つけて病になってしまう。
そんな方が多いのです。
だから、こんな優しい方々が犯罪者のように見られるのは本当に悔しいです。
もうすぐ母の日ですね。
ある年、作業所で母の日にお母さんに絵手紙を書かれました。
そのころ所長をしていた母が、私にこんな絵手紙があったんだよと話してくれました。
「お母さん 天国でお父さんに会えましたか?」
田舎で林業をしていたが食べられず、家族3人で上京されます。
しかしお父さんが病死。
慣れない都会暮らしに疲れたお母さんもまた、その後を追って飛び降り自殺される…
そんなお母さんにあてた絵手紙でした。
「一生懸命描かれたたどたどしい絵手紙の文字は優しく、それを眺めているとその方の母を思う気持ちに胸が苦しくなった。」
そう話す母の目に涙があふれていました。
自由競争は社会に活力をもたらす、それはひとつの真実です。
しかし競争から離脱せざるを得ない人へ、優しい手を差し伸べる愛情も持ち合わせる社会であって欲しい、私はそう思います。
今年の母の日も人呼吸をつけ寝たきりの母に、私はカーネーションを抱えてありがとうの気持ちを伝えに行ってきます。