月月に月みる月は多けれど
月みる月はこの月の月
詠み人しらずのこの歌
ユーモアたっぷりの方が詠まれたのでしょうね。
面白いですが、言いたいことはとってもよくわかります。
銀閣寺
実は月を見るために建てられた建物であるとか。
借景の東山を上る月
庭の木々枝を渡る月
そして池の水面を漂う月
全てを計算しつくし
最高の月を眺めるために造られたそうです。
それだけ昔から月は日本人にとって特別な存在だったのですね。
さて、冒頭の月の句。
「この月」とはいったいいつの月を指しているのかは書いてありません。
でもよく見るとこの句にその答えが書いてあるんですよ。
お気づきになりましたか?
それは8月の月なんです。
旧暦の8月の月、すなわち仲秋の名月を指しています。
なぜか?
よく見てごらんなさい。
この句には「月」という文字が8個ある。
つまり1年で8番目の月。
すなわち8月なんですね。
そしてそれが今年は今日なんです!
ぜひ空を見上げて、特別な月をご覧になってくださいませ。