今は24時間営業のコンビニをはじめとして、現代社会は夜も明るいのが当たり前の世の中です。
しかし、私の子供のころなどは、家の中も裸電球でしたので薄暗く、まして屋外はまさに闇が支配する時代でした。
幽霊の正体見たり枯れ尾花
そんな時代、夜に枯れた尾花(ススキ)を見ると、闇のせいで不完全にしか見えないススキを認知した脳は、見えない部分を補完し「幽霊」と認識させたのだと思います。
こんな諺もあります。
女性が綺麗に見える場面を昔からこう言うそうです。
「夜目 遠目 傘の中」
夜目(よめ)とは夜に見る女性。
おそらく夜が暗い時代であると思います。
遠目(とおめ)とは遠くから見る女性。
そして傘をさす女性。
もうおわかりですよね。
枯れ尾花を幽霊と見たのと同様、女性の見えない部分を補完して脳は美人を作り上げている。
だから「夜目 遠目 傘の中」の女性は美しく見えるんだと思います。
これらから私たちは学ぶべきことがあります。
実は同様のことが世の中にはたくさんあります。
伝えるべき情報が不足していて、その不足部分を聞き手が勝手に補完して認識してしまう。
「幽霊」と認識するか「美人」と認識するか、それは聞き手の考え方や置かれた立場などによって異なります。
しかし認識違いの結果、大きな諍いになってしまうケースも往々にしてあります。
そんな諍いを防止するには情報不足の部分を少なくすること。
少なくすればするほど、聞き手が勝手に補完する余地がなくなり、諍いの原因も無くなります。
仕事でも、また恋愛でもそうでしょうが、相手に対してできるだけ丁寧に状況や気持ちといった情報を伝え合うことがとても大切だと思います。
私はそんな気持ちで仕事をしていきたいものだと、常々思っているのであります。