お客様からトウモロコシと枝豆をいただきました。
こちらがお世話になりましたのに恐縮します。
お砂糖でもかけた?と思えるほど甘いトウモロコシ。
豆の味がしっかりしていて風味豊かな枝豆。
そして何より、私に食べさせてやろうというお気持ち。
それらを一緒に包んでお送ってくださいました。
お礼のお電話をさせていただきましたら、いつもの明るいお声が受話器から聞こえてきました。
私も負けずに頑張ろうと言う気持ちになりました。
ありがたい、ありがたい。
本当にありがとうございます。
ところで、京都ではトウモロコシのことを「なんば」と呼びます。
もしかしたら語源は「南蛮」あたりにあるのかもしれませんね。
トウモロコシを栽培されるとわかりますが、成長過程で鞘の頭から金色の細いひも状のものが房になって伸びています。
これはトウモロコシの雌しべらしいです。
子供のころ、そのころは珍しかった茶髪の女性をみて母が「なんばみたいな髪の毛をしてはる。」などと言って笑っていました。
今では街を歩くと、男も女もみんな「なんばみたいな髪の毛」だらけですが(笑)
また枝豆についても一言。
枝豆のことを「畦豆」(あぜまめ)と呼びます。
畦とは田んぼの周りの幅の狭い道。
幅が狭いのは、少しでも多く米を収穫したいと、ぎりぎりまで田んぼを広くし、代わりに道を狭くしたためです。
その、人が歩くのも背いっぱいまで狭くした畦に植えたのがこの「畦豆」です。
畦という小さな道の生産力さえ無駄にせず豆を植えて食料を得た「もったいない精神」が、つい最近まで日本人の心にしっかりと根付いていました。
いただいた枝豆でビールを飲んでいると、泥だらけで農作業して帰ってきたおばあちゃんが、おくどさん(かまど)で、なんばや畦豆をゆでてくれ、美味しいと食べる私を見て優しく笑ってくれた顔がよみがえってきました。