三条京阪に大好きが居酒屋がありました。
その名前も「伏見」。
三条にあるのになぜ伏見なのか?
それを聞こうと思いつつ聞きそびれてしましました。
コの字型のカウンターだけのお店ですが、開店直後から満席になる人気店。
安くてボリュームがあって、特におじさんたちにはすごくありがたい店なのであります。
そこに名物の女将さんがいらっしゃって、大きなだみ声で「今日は鯖が美味しいで。鯖食べるか?」と半分押し売りのように注文をとられます。
でも、その通りに注文すると本当に美味しく満足するのです。
また「これサービスしとくわ。」と注文もしていないお料理をいただいたりもします。
そんなざっくばらんな人柄が人気で、女将さんを目当てに来るお客さんもたくさんいました。
みんなの笑顔の中心に女将さんがいる、そんな素敵な居酒屋です。
その店の壁にこんな張り紙があります。
「声高の方は御遠慮願います。
一時間以内に
御願いします。
伏見店主」
ちょっと笑けてきますよね。
だって、この店で一番声高なのは店主である女将さんなんですから。
そんなことをツッコミながら閉店まで飲み明かしたものです。
でも、近隣の開発でこの店も先日閉店してしまいました。
綺麗なビルが建つのでしょうが、こんな人情酒場が閉店し、おじさんの大切な居場所がひとつ無くなってしまったことをとても寂しく思っています。
またどこかで、あの声高な女将さんが「伏見」を再開してくれないかと期待する私なのであります。