子供のころ、土曜日はまだ半日だけ学校がありました。
学校から帰ってテレビをつけるとよく松竹新喜劇を放映してました。
もちろん主役は「藤山寛美」。昭和の喜劇王です。
吉本新喜劇がお笑いを前面に出していたのに比べ、松竹新喜劇は笑いと人情をテーマとした演劇でした。
笑わせてお金をいただくのはもちろん大変ですが、松竹新喜劇のように人を笑わせ、そして泣かせてお金をいただく高度な芸能は、やはり天才 藤山寛美さんに頼っていた部分が多かったようです。
従って、彼が逝ったあと残念ながらTV放映はなくなってしまいました。
私たちは子供心に見た松竹新喜劇から、人情の機微、義理や恩、人の心の温かさ優しさを学んだように思います。
できることならあんな人情劇をまた放送していただきたいものです。
商業ベースの視聴率ですべてを判断する今のTV放送では無理でしょうか・・
余談ですが私の会社のすぐ近くに藤山寛美さんのご自宅があり、時々、寛美さんのあとを継いで役者として活躍されている藤山直美さんをお見かけします。
その直美さんもこの春にガンが見つかりただいま静養中。
人は苦しんだ経験が多いほど、人の苦しみに気づくことができ、優しくなることができます。
苦難を乗り越えた直美さんの演技により円熟味が加わり、見る人の心を打つ人情劇演じられることでしょう。
彼女の一日も早い復帰を願っています。