京都では「門掃き」(かどはき)という風習があります。
それは朝いちばんに玄関を掃き水を打つこと。
でもそれだけでは京都の門掃きとは言えません。
必ず自分の家の前だけじゃなく、少しお隣の分まではみ出して掃きます。
私も子供のころ、母によく言われたものです。
「自分の家の前だけ掃除するんと違うえ。お隣さんの前も掃かしてもらうのえ。」
「掃いてあげる」んじゃないのです。
「掃かしてもらう」んですね。
お互いがはみ出して「掃かしてもらった」ところは、お隣同士を結ぶ いわば「のりしろ」のようなもの。
そんなつながりが地域力を保つ要因かもしれません。
私は、そんな優しさや気配りのできる町 京都が大好きです。