私は剣道をやっていました。
といっても中学だけで高校からはバスケをしたので実質3年だけなのですが。
そのときの顧問は剣道8段の達人でした。
先生に教わった中で最も印象に残っているのは目付の話。
目付とは相手と対峙したときにどこを見るかということです。
先生は「遠山の目付」(一点を凝視することなく遠い山を見るように全体を見よ)
「観見二様の目付」(目で見るとともに、心で観よ)と仰ったのを覚えています。
今日は、遠方からいらっしゃったお客様と中古住宅物件を見て回りました。
ところで皆さんは中古物件を見るとき、どこが気になりますか?
お客様は。間取りや日あたりのほかに、よく床やクロス、キッチンの汚れなどのことを仰います。
当然それも大事なのですが、私たちが最も気になるのは外壁や基礎のひび割れ、屋根の状態、建物の傾斜、ひな壇の宅地の場合は擁壁の状態等です。
基礎のひび割れは地盤沈下、外壁のひび割れは地盤沈下のほかに雨水の浸透による柱の腐食も疑われます。
また内部では建具の建てつけ、天井のシミ、床の腐食等が気になります。
建物の建てつけについては、扉や戸に隙間があると建物が傾斜していることがわかります。
天井のシミは雨漏り、床がブカブカするのは湿気やシロアリも疑われます。
壁や床など表面的な補修は安価でできます。
しかし基礎、柱、屋根、外壁などは補修に多額の費用がかかったり建て替えが必要となる場合があるからです。
ある意味、これも「目付」。
剣道と同じように、一点に集中せず、全体を見渡す。
見える現象から見えないものを観る。
物件をご覧のなるとき、このブログをちょっと思い出してくださいませ。