「おくどさん」
京言葉でおくどさんとは「かまど」のことです。
私の住んでいる家にもおくどさんがありました。
大きな釜で煮炊きものをしたり、お餅つきのもち米を蒸したり。
うちの朝はいつもおくどさんに火が入り、植木屋だったおじいちゃんが仕事に出る前に、その前で私を膝に載せながら朝食をとっていました。
パチパチと薪のはぜる音とオレンジ色の炎。
おくどさんを見ると、そんなオレンジ色の火と祖父の優しさを思い出します。
ところで、京都では物の頭に「お」、お尻に「さん」をつけることが多いです。
おくどさんの他に、たとえば
お芋さん
おあげさん
お粥さん
おいなりさん などなど。
やはり公家言葉からきているのでしょうか。